胸痛が気になったら
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狭心症発作が起きやすい状況

 狭心症は冠動脈が細くなって心筋への血流不足が起こると発症します。そのため、心臓が活発に

動いて心筋が多くの血液を必要とする運動時に多く発症します。日常,重い荷物を持って歩いたり、

坂道や階段を上がったり、急いで歩いたりした時に突然胸痛に襲われます。しかし、

安静にして休むと症状が治まるのも狭心症発作の特徴です。狭心症発作には再現性があるため、

同じような運動量をすると同じような発作が起こります。また、運動時以外にもお風呂に入ったり、

トイレでいきんだり、テレビや映画で興奮したり、口論で感情的になったりした時にも

心臓に負担がかかって発作が起こることがあります。

 狭心症発作が起きやすい季節や時間帯も知られており、冬の寒い日や午前中などに

多く起こる傾向があります。暖かいところから急に寒いところに移動すると血管が

収縮して血圧が高くなり、午前中は体を活発に動かそうと血圧が高くなりやすくなるため、

心臓に負担がかかって狭心症発作が起こりやすくなります。ただし、狭心症が進行すると

季節や時間帯に関係なく発作が起こるようになります。狭心症が進行する(冠動脈が狭くなる)

と、軽い運動でも発作が起こるようになります。以前は運動する時だけ発作が起きていたのに、

進行すると階段を上るだけで発作が起きるといったようになります。

 さらに狭心症が進行して冠動脈が詰まりかかってくると、安静時にも発作が起こるようになってきます。

発作の持続時間も長くなり、なかなか治まらなくなってきます。夜間就寝中に発作で目が覚めるように

なってくると心筋梗塞を起こす危険性があります。このような時はすぐに救急車で病院に

向かうようにしましょう。

ご自身で運転して病院に向かうのは危険です。
心筋梗塞の症状


 心筋梗塞の発作は狭心症とほぼ同じような場所に現れますが、狭心症発作とは比較に

ならないくらいの胸痛に襲われます。

「火箸で刺されたような」「石で胸が潰されたような」「胸の中をえぐられるような」に例えられる

強烈な痛みで、死の恐怖を感じることもあります。冷や汗が出たり、呼吸困難になったり、

場合によっては意識を失う事もあります。


 心筋梗塞の発作は持続時間が長いのも特徴です。狭心症発作は安静にすると治まりますが、

心筋梗塞は最低でも30分以上は強烈な痛みが続きます。冠動脈が詰まってしまっているため、

冠動脈拡張薬のニトログリセリンを使用しても効果がありません。発作が始まるとすぐに

心筋の壊死が始まります。

胸痛は発症から数時間経過すると次第に治まってきますが、これは心筋梗塞が治ったわけではなく、

心筋や神経が壊死して痛みがわからなくなったためです。

心筋が壊死範囲が拡がると、心臓のポンプ機能が低下して心不全になります。強い息切れや呼吸困難、

血圧低下が起こり、死に至る事もあります。
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心筋梗塞が起きやすい状況

 狭心症発作は運動時に起こりやすくなりますが、心筋梗塞は突然に起こることが多く、

安静時の起こることも珍しくありません。特に発作が起きやすい時間帯として、

朝起きてから体が徐々に活動を始める午前9〜10時頃、1日の疲れがたまった午後7〜10時頃が

知られています。

また、狭心症と同様に冬の寒い日に起きやすい傾向があります。

 心筋梗塞が疑われる激しい胸痛が起こり、安静にしても症状が改善しない場合はすぐに救急車を

呼ぶようにしましょう。

心筋梗塞は発症するとすぐに心筋壊死による心不全が起こるため、初期対応の早さが生命や後遺症の

程度に大きく関わります。

救急車を待っている間は極力安静につとめ、ご自身で運転して病院に向かうのは危険ですので

避けましょう。
別の病気でも胸痛が起こる


 胸痛はすぐに狭心症や心筋梗塞といった心臓病が疑われますが、心臓病以外でも激しい胸痛に

襲われることがあります。

代表的なものとして、急性大動脈解離や胸部大動脈瘤破裂などがあります。急性大動脈解離は胸から

背中に沿って走る大動脈が高い血圧によって裂ける病気で、血管が裂ける時に激しい

痛みが胸から背中にかけて現れます。

大動脈が裂けて各臓器への血流障害が起こるため、急死することもあります。胸部大動脈瘤破裂は

高血圧などによって大動脈にできた動脈瘤(血管がコブ状に膨らんだもの)が

破裂する病気で、突然胸から背中にかけて激しい痛みに襲われ、ショック状態から死に至る事もあります。

狭心症や心筋梗塞に限らず、激しい胸痛は非常に危険な病気のサインといえます。

 また、このほかにも気胸や肋間神経痛、胃・十二指腸潰瘍、心膜・胸膜炎、帯状疱疹、

急性肺炎などの比較的程度の軽い病気で胸痛が起こることがあります。
痛みのない心筋梗塞に注意


 心筋梗塞の特徴的な症状として激しい胸痛がありますが、必ずしも胸痛が起こるわけではなりません。

吐き気がしたり、なんとなくだるいといった症状しか現れなかったり、人によってはまったく無症状の

場合もあり、検診の心電図でたまたま心筋梗塞が発見されるということもあります。このような

心筋梗塞を無痛性心筋梗塞、または無症候性心筋梗塞といい、心筋梗塞患者の2〜3割を

占めているといわれています。

 この無痛性心筋梗塞は痛みがないから軽症の心筋梗塞かというとそうではなりません。

これは患者の痛覚に問題があるために起こります。無痛性心筋梗塞の患者の多くは糖尿病や

高齢者であり、これらの患者は痛みを脳に伝達する神経が異常をきたしているために胸痛が

感じられなくなっています。

そのため、心筋梗塞が発見された段階ではすでに重度の不整脈や心不全になっていることも

少なくありません。

 無痛性心筋梗塞を防ぐためには定期的に健康診断を受け、心電図などによって心臓の健康状態を

チェックしておく事が大切です。

そして、原因不明の吐き気やだるさ、しびれ、めまい、むかつきなどの違和感を感じた場合は、

心臓病を疑って専門医の診察を受けるようにしましょう。
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